第六章 救出 炎龍の騎士

D'arkの画像

黒龍の騎士ザーシュは、すぐにヘルンへと向かった。
ダルディークはヘルン攻略を第一目的とし、炎龍救出は二の次とした。
ザーシュはダルディークに逆らうつもりは毛頭無いが、炎龍ルーラを救出するつもりであった。
そう、炎龍ルーラを救出するなとは言っていないのだ。ヘルンさえ落してしまえば問題はない。
しかし、ヘルンに光の騎士フェルナスがいるという事を、ザーシュはまだ知らなかった。


D'arkの画像


D'arkの画像

ヘルン「ん? 何だ貴様はっ!?」
ザーシュは黙ったままゆっくりとヘルン王へ歩み寄った。その足元には、縛られ魔法で封印された炎龍ルーラがいた。
ザーシュ「あまり良い格好ではないな」
ルーラ「ザーシュ!」
ザーシュ「いま助けてやる」
ルーラ「誰もあんたに助けてくれなんて言ってないわよ!」
ザーシュ「こちらも好きでやっているのではない。ダルディーク様の命令だ」
ルーラ「ダルディーク様…………やはり、お怒りなの?」
ザーシュ「…………心配するな」
ヘルン「き、貴様! 我々を無視して、何をイチャついておるんだ!!」
ザーシュ「………………」
ヘルン「フフフン! ノコノコと女を助けに来おって、まるで白馬に乗った王子様きどりか!」
ザーシュ「貴様…………死ね」
ヘルン「フフフン! どうやら、話し合う余地もないらしいな」
ザーシュはそれ以上何も喋らなかった。ただ黙って剣を抜く。
ヘルン「このヘルン王をなめるなよ! この女と戦ったときと違い、いまは魔法アイテムで武装しているのだからな!!」

(魔法武装したヘルン王と戦闘→勝利)

ヘルン「な、なかなかやるな。しかーしっ! 私が貴様のとどめを刺す前に、こいつと戦ってもらおう」
ザーシュ「………………」

D'arkの画像

ヘルン「フェルナス! 私がしとめてもいいのだが、まぁ今回は、お前に花を持たそう」
ザーシュ「薄汚い……ブタめ」
ヘルン「な、なにをぉぉぉぉ! フェルナス! 殺せ! 今度こそ手加減するなよ!!」
フェルナス「来い!」

(フェルナスと戦闘→敗北)

D'arkの画像

ザーシュ「グクゥ……」
ヘルン「そこだ、フェルナス! 殺してしまえ!!」
フェルナス「ぬうぉ……」
ザーシュ「つ、強い……」
ヘルン「よし! やれ! やってしま……ああっ!!」

D'arkの画像

フェルナス「ぐうわぁ!」
ザーシュ「ダ、ダルディーク様……」
ダルディーク「何をやっている、ザーシュ」
ザーシュ「も、申し訳ありません」
ヘルン「ひ、卑怯だぞ!」
ダルディーク「卑怯? 少なくとも貴様が使う言葉ではないな」
ヘルン「ぐ…………」
ダルディーク「とどめを刺せ」
ザーシュ「はっ!」
その時、数人の戦士が部屋に入って来た。
フェルナスの部下「フェルナス様をお守りしろ!」
ダルディーク「こざかしい雑魚どもが……」
ザーシュ「ここは私が!」
ダルディーク「いいだろう。それでは魔法で体力を回復してやる」

(フェルナスの部下と戦闘→勝利)

しかし、フェルナスは別の部下に助けられ、城を脱出してしまった。
ダルディーク「逃げても無駄だ、フェルナス。すぐに貴様を見つけ出し、息の根を止めてやる」

D'arkの画像

ダルディーク「さて、ヘルン」
ヘルン「ヒィッー! よ、寄るな! 寄らないでっ!! こ、殺さないでェェェェ!!」
ダルディーク「フン! 殺しはしない」
ヘルン「ほ、本当に?」
ダルディーク「今はな」
ヘルン「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

D'arkの画像

マーサス「なに!? ヘルン王が!?」
マーサスの部下「はい! 敵の最前線に一族の婦女子と共に、磔にされております」
マーサス「おのれぇ、ダルディーク! 卑怯な手を!!」
マーサス王は最高の武人であった。しかし、その心は武人としては優しすぎた。
ここに、マーサスはダルディークによって無血占領された。
後に幽閉の身となったマーサス王は、生き延びた部下に助けられ、どこかへ身を隠した。

しかし、ヘルン王はマーサス降伏と同時に殺されていた。