第十三章 エルフの迷宮

D'arkの画像

シャーナックの森の地下には二つの迷宮がある。
一つはヴァームが逃げ込んだ、森の砦に続く迷いの迷宮。そしてもう一つは、エルフの村へ続く迷宮である。
その迷宮の入口を前にして、ダルディークは黒龍の騎士ザーシュを呼び寄せた。
ダルディーク「エルフの村を見つけたら、密かにその村を包囲しろ」
ザーシュ「分かりました」
いまダルディークは、迷宮を通りエルフの村を目指す。


D'arkの画像


D'arkの画像

長く暗い迷宮の先に、エルフの村はあった。
村へ入るダルディークの後ろに黒龍ザーシュも続く。すると、二人の前に、エルフの長老が立ちはだかった。
エルフ長老「邪悪な者よ、この村になに用があって来た」
ダルディーク「魔法を、シャーナックの迷宮にかけた魔法を解いてもらおうか」
エルフ長老「それは不可能じゃ。あの魔法は、もはや誰にも解く事は出来ん」
ダルディーク「なるほど……」
そこに黒龍ザーシュが、エルフの娘をつれてやって来た。
ザーシュ「長老の孫娘です」
エルフ長老「ムムッ…………」
ダルディーク「長老よ、もう一度聞こう。魔法の解き方は?」
エルフ長老「何度言っても同じじゃ。あの魔法は解けん」
ダルディーク「ほう……では、これでもかっ!?」

D'arkの画像

孫娘「きゃあぁぁぁぁ!!」
エルフ長老「ひ、卑劣な事をっ!」
ダルディーク「魔法を解く気になったか?」
エルフ長老「何をしても同じじゃ! あの魔法は誰にも解けん!!」
ダルディーク「…………」
ザーシュ「ダルディーク様、本当にあの魔法は解けないのでは……」
ダルディーク「そう思うか?」
ザーシュ「え?」

D'arkの画像

ダルディーク「流石は長老だ。この分では何をやっても喋らんだろうな」
エルフ長老「…………」
ダルディーク「しかし、貴様にだけ喋らす必要はない」
エルフ長老「なんだと?」
ダルディークは剣を抜き、エルフの長老に振り下ろした。
エルフ長老「グハッ!」
鈍い音がして、ダルディークの剣は長老の肩に食い込む。刃を寝かせていた為に身体は切れなかったが、老人の身体にはかなりのダメージのはずだ。
エルフ長老「む、無駄じゃ……たとえ殺されても、あの魔法は解けん」
ダルディーク「貴様に聞く必要はないと言った……今度は、殺す」
さらにダルディークの剣が振り上げられ、長老の頭めがけ下ろされる。
孫娘「やめて!」

D'arkの画像

長老の孫娘がダルディークと長老の間に割って入った。
ダルディーク「どけ」
孫娘「やめて下さい! 魔法の解除方法なら、私がお話します!」
エルフ長老「や、やめるんじゃ!」
ダルディーク「貴様は黙っていろ。それで、その方法とは?」
孫娘「この宝石を迷宮の行き止まりで使えば、新たな道が開けます」
ダルディークはエルフの宝石を手にいれた。
エルフ長老「あぁ…………」
ダルディーク「魔法は誰にも解けないとは、よく言ったものだな長老」
エルフ長老「………………」
ダルディーク「…………ザーシュ!」
ザーシュ「はっ!」
ダルディーク「この村に火を放ち、全員…………殺せ」
ザーシュ「分かりました」
エルフ長老「な、何をっ!」
孫娘「そんな酷い! 魔法の解除方法を教えたじゃないですか!」
ダルディーク「だから、なんだ? そんなものが殺さない理由になるとでも思っていたのか?」
エルフ長老「お、おのれぇ……」
孫娘「も、もう……ゆるさないっ!」
エルフ長老「や、やめるんじゃ!」

(長老の孫娘と戦闘→勝利)

孫娘「あぁ……」
エルフ長老「だ、大丈夫か」
ダルディーク「貴様らは、何があっても闇に従うという事はないだろう」
エルフ長老「あ、当り前じゃ!」
ダルディーク「だから殺すのだ。反乱の芽を摘み取るのは早い方がいい」
エルフ長老「ク、クゥ…………」

こうして村は燃やされ、エルフたちは全員殺された。
この話は、エルフ村の惨事として、語り継がれる事になる。