第四章 四龍の騎士たち

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前大戦、もっとも光側を恐れさせた者たちがいた。
黒龍、炎龍、雷龍、氷龍の『四龍の騎士』。
四龍の騎士は闇側最強と言われていたが、今は四龍の塔に閉じ込められ、大白魔導士によって封印されていた。
四龍の騎士が黙って封印されている事に、最初は戸惑いを感じた人々だったが、時間がたつにつれ四龍の騎士の存在自体の記憶も薄れていった。
しかし、彼らが大人しく封印されていたのは、新しい闇の指導者を待っていたからにすぎなかった。
ダルディークは、その四龍の騎士を解放し、手下にするべく四龍の塔へ向かった。


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女「あら、お客様とは、何十年ぶりかしら」
長弓を持った女が、声をかけてきた。
アーリア「私は氷龍の騎士アーリア。何しに来たか知らないけれども、大ケガしないうちに帰った方がいいですよ」
ダルディーク「フム、なかなかの能力を持っているようだ」
アーリア「そうよ。だから早く帰りなさい。私が優しく言ってるのは、今だけなのよ」
ダルディークは微笑すると、黙って剣を抜いた。
アーリア「おもしろいわね。そんなに死にたいわけ?」

(アーリアと戦闘→勝利)

アーリア「こ、この私が負けるとは……考えられないわ」
ダルディーク「さすが、四龍の騎士と恐れられただけはあるな」
アーリア「さぁ、好きにするといいわ」
ダルディーク「ならば、その命、私の為に役立てろ」
アーリア「……まさか、あなたは闇の統一を…………」
ダルディーク「お前はそこで、待っていろ。あとの三人を連れてくる」
そう言うとダルディークは、その場をあとにした。


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男「ほほぉーう。久しぶりに人間を見た……いや、どうやら人間ではないようだな」
ダルディーク「お前が雷龍だな」
ラーディス「いかにも! 一目で分かる美男子、それが俺様、雷龍の騎士ラーディス様よ」
ダルディーク「その命、私に預けろ」
ラーディス「ファーハッハッハッ! おもしろい!! いいだろう。もし、この俺様に勝てたら、この命、好きにするがいい」

(ラーディスと戦闘→勝利)

ラーディス「どわぁぁぁぁぁ! この俺様が負けるとは……」
ダルディーク「それでは、その命、好きにさせてもらおうか」
ラーディス「まさか取って喰うんではあるまいな?」
ダルディーク「そんなもの、死んでも喰いたいとは思わん」
ダルディーク「とにかくお前は、あとの二人を解放するまで、そこで待っていろ」
ラーディス「わ、分かった……それでは3階への扉を開けよう」


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女「あら? こんな所まで入り込んで、何をやってるのかしら?」
ダルディーク「従順で、腕のたつ女を探しにきた」
女「残念ね。腕のたつ女はいるけど、従順な女はいないわよ」
ダルディーク「ならば、従順にならざるを得なくするか」
ルーラ「この炎龍の騎士ルーラ様に、そんな口をきいて生きていられた奴はいないのよ!」
ダルディーク「すると私が第一号というわけか」
ルーラ「おほざきでないよ!」

(ルーラと戦闘→勝利)

ルーラ「わ、私が負けるなんて……」
ダルディーク「少なくとも私にだけは従順になることだな」
ルーラ「殺さないの?」
ダルディーク「殺す気なら、とっくに殺している」
ルーラ「何をする気?」
ダルディーク「すぐに分かる……あと一人の龍騎士に会えばな」
ルーラ「…………」


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男「ほう、ここまで来れた者は、いままでになかったが……」
ダルディーク「別に難しい事ではない」
ザーシュ「私の名はザーシュ、黒龍の騎士ザーシュ」
ダルディーク「私の名はダルディークだ。お前たちを退屈なブタ小屋生活から解放してやりに来た」
ザーシュ「それでは、ここまでこれた事に敬意を表して、特別に話してやろう」
ザーシュ「我々、四龍の騎士は大人しく黙って、ここに閉じ込められていたわけではない。闇の指導者となる者を待っていたのだ」
ザーシュ「残念な事に前大戦の指導者は無知で愚かな奴であった。その為に闇は敗れた」
ザーシュ「しかし、真の闇の指導者さえ現れれば、闇全体を統一出来れば……そうすれば、今度こそ光を滅亡し、二度と復活などさせはしない」
ダルディーク「貴様の目は節穴か?」
ザーシュ「なに」
ダルディーク「自分が従うべき者が、目の前にいる事に気付かぬのか?」
ザーシュ「フフ、おもしろい。ならば、この剣で確かめさせてもらおう。本当に従うべき器の、持ち主であるかどうかな」

(ザーシュと戦闘→勝利)

ザーシュ「こ、この力は……まさしく我々が求めてきたもの」
ダルディーク「あとは、塔を封印している邪魔者を始末すればいいだけだな」
ザーシュ「そうです」
ザーシュ「この上階にいるのは、女ながらも凄い魔力の持ち主、大白魔導士です」
ザーシュ「しかし、我ら四龍の騎士とあなたとでかかれば、たやすく倒せるでしょう」
ダルディーク「フッ! 私一人で十分だ」
ザーシュ「し、しかし……」
ダルディーク「貴様はここでおとなしく待っていればいい。私を信じてな」
ザーシュ「わ、分かりました」


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大白魔導士「あなたですね、四龍の騎士を助けだしに来たという者は?」
ダルディーク「もらいに来ただけだ」
大白魔導士「また争いを起こし、平和を乱すつもりですか」
ダルディーク「平和など、人間の創り出した虚像にすぎん」
大白魔導士「それは違います。あなたたち闇の者が、その平和を壊しているだけです」
ダルディーク「見せかけの平和を壊して何が悪い」
大白魔導士「見せかけではありません! 真の平和は人間が……」
ダルディーク「もういい。貴様と話しても時間の無駄だ」
大白魔導士「そうやって、すぐ力に頼るのですね。人は会話という、すばらしいものを持って……」
ダルディーク「時間の無駄と言った……素直に、この塔の封印をとけばよし、さもなくば……」
大白魔導士「殺す……というわけですね」
ダルディーク「どうやら、その方が早いようだ」
大白魔導士「そう簡単に行きませんよ」

(大白魔導士と戦闘→勝利)

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大白魔導士「クッ……」
ダルディーク「さぁ、封印をといてもらおう」
大白魔導士「たとえ死んでも封印はときません」
ダルディーク「貴様が死ねば、封印は自然に消滅するのだ。無駄に死ぬことはなかろう」
大白魔導士「だったら、私を殺しなさい!」
ダルディーク「フッ! ……せっかく人間的な行動をしてやったのにな」
大白魔導士「上辺だけ人を装っても無駄です。あなたの中身は、醜い悪魔だわ」
ダルディーク「それを自覚しているだけ、人間共よりマシだと思うがな」
大白魔導士「人間とあなたたちを一緒にしないで!」
ダルディーク「フフ、また無駄な時間を過ごしてしまった」
大白魔導士「絶対にこの島は、あなたたち闇の手には落ちません」
ダルディーク「そのちっぽけな命、無駄にした事を後悔するがいい」

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ザーシュ「我々は、あなたが現れるのを40年間待ちました」
ザーシュ「そう、あなたこそ我らが待ち望んだ、真の闇の支配者なのです」
ザーシュ「我々はダルディーク様に忠誠を誓い、この命、喜んで捧げましょう」
ダルディーク「うむ……それでは一言だけ言っておこう。貴様らが守る事はたった一つだけだ……」
ダルディーク「私に逆らうな……それだけだ」
四龍の騎士「ははっ!」

ダルディークに強力な味方がついた。
いや、味方ではなく、ダルディークにとっては、自分の野望を達成する為の、一つの道具にすぎないのかもしれない。