レドラルの住民だという女が、ダルディークを訪ねてきた。
ダルディーク「レドラル?」
レドラルの女「はい。ここから北に少し行った所にございます、女だけの国にございます」
ザーシュ「そこの王女は、女神と呼ばれるほど美しいと評判です」
レドラルの女「はい。レドラルは、女神の国と呼ばれているくらいでして……」
ダルディーク「それで、そのレドラルの民が、私に何の用だ?」
レドラルの女「はい。私、見たんです。フェルナス様が、レドラル城に入って行くところを……」
ダルディーク「ほう」
レドラルの女「間違いありません。私はその城で、働いていたのですから」
ダルディーク「なるほどな……ザーシュ」
ザーシュ「はい」
ダルディーク「すぐにレドラル攻略を進めろ」
ザーシュ「分かりました」
レドラルの女「あのぉ……褒美をもらえると聞いているのですが……」
ダルディーク「褒美か? フフ、いいだろう、たっぷりやろう」
レドラルの女「あ、ありがとうございます!」
ダルディーク「一緒に棺桶の中に持って行くがいい。つれて行け!」
レドラルの女「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
三国同盟が崩壊したため、レドラルは孤立する形になっていた。そのためダルディークの軍勢は、容易にレドラルを完全包囲し、怒涛の進撃を開始したのだった。
ダルディーク軍の激しい猛攻に合い、女性のみのレドラル軍は撤退に撤退を重ねるしかなく、ついには居城レドラル城にまで後退し、篭城戦となったのだった。
いま、ダルディークは、その軍勢とともにレドラル城へと攻め入った。
アネット「何者です、無礼な!」
ダルディーク「まだ、子供ではないか」
レドラルの前王女が急死したために、若くして王女となったアネット。
しかし、そのカリスマ性は、前王女を遥かに凌ぐものがあった。
アネット「出て行きなさい!」
アネットは毅然とした態度でダルディークをにらんだ。
ダルディーク「単刀直入に言おう。フェルナスは何処だ?」
アネット「知りません! たとえ知っていたとしても、あなたに教える気は毛頭ありません!」
ダルディーク「ほほう、強気だな。ならば、その身体に聞いても、よいのだぞ」
レドラル親衛隊長「ええい! もう許せん!!」
アネットを護衛していた親衛隊員たちが、突然ダルディークに襲いかかった。
(レドラル親衛隊長と戦闘→勝利)
レドラル親衛隊長「おのれぇ、今度は私が相手だ」
新手の親衛隊長が現れた。
(レドラル親衛隊長と戦闘→勝利)
レドラル一の使い手たちも、やはりダルディークの敵ではなかった。
ダルディーク「さて…………」
ダルディークがアネットに近づくと、アネットは突然、短剣を抜いた。
ダルディーク「おやおや、子供のおもちゃにしては、かなり物騒な物だな」
アネット「私は誇り高きレドラルの王女です。悪魔の手にかかるくらいなら、自らこの命を絶ちましょう」
ダルディーク「それは手間がはぶけて結構だな」
アネット「…………」
ダルディーク「フッ、そうまでしてフェルナスの居所を隠したいか」
アネット「何の事です!?」
ダルディーク「やはり、まだまだ子供だな。心を読まさぬ方法を、まだ知らぬとみえる」
アネット「ハッ!」
ダルディーク「フェルナスはすでに逃げた後……」
アネット「…………」
ダルディーク「なるほど、フェルナスには神官の姉がいたのか」
アネット「ち、違うわ!」
ダルディーク「敵視している私に対して否定するとは、肯定していることと同じだ」
アネット「ウウゥ……」
ダルディーク「もう貴様に用はない。可愛い王女に敬意を表し、自害を許そう」
アネット「ク、クゥ……」
こうして、アネットの死によりレドラルはダルディークの手に落ちた。
レドラル王女の死は光側に暗雲をもたらしたが、フェルナスの居場所をダルディークに知られた事は、光側にとってもっと大きな暗雲になるだろう。
いま、ダルディークの猛追撃が始まった。