第一章 ヴィーヴィック城

島の最南東にある小さな城、ヴィーヴィック城。

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ダルディークの野望の第一歩は、この小さな城から始まろうとしていた。
しかし…………


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広間の中央に、この城の城主が座っていた。城主はダルディークを見ると、顔をひきつらせる。
城主「ぶ、無礼者め! ここをヴィーヴィック城と知ってやって来たのか!?」
ダルディーク「城の名など関係ない。光に属する者は、すべて焼き尽くすのみ」
城主「な、な、な、なんだと……」
ダルディーク「死ね」
城主「フォ、フォンソー! フォンソーはおらぬか!!」
ダルディーク「誰を呼ぼうと無駄だ。こんな小城にいる程度の奴に、この私は倒せん」
城主「ひー! た、助けてぇぇぇぇぇ!!」

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フォンソー「大丈夫ですかな、城主殿」
城主「おお、フォンソー! なにをしてたのだ!? ええーい、そんな事はどうでもいい。早くこいつをやっつけてくれ」
フォンソー「分かりました」
ダルディーク「…………」
フォンソー「御主、なぜこんな事をする?」
ダルディーク「貴様に理由を言う必要などない。黙って光は闇に呑まれればいい」
フォンソー「闇の時代はもう終わったのだ。闇を指揮していたカーサスはその力を失い、今は塔に篭っているだけだ」
ダルディーク「…………」
フォンソー「そして、闇側最強と言われた四龍の騎士たちも、今は大魔導師様によって塔に封印されている」
ダルディーク「なにが言いたい」
フォンソー「闇の時代は終わったのだ。バカな事を考えるのはよせ」
ダルディーク「いい加減にしてほしいな。私は、貴様と談笑しに来たのではない」
フォンソー「しかたあるまい。こうなったらその身体に分からすまで」

(フォンソーと戦闘→敗北)

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ダルディーク「グゥゥ……お、おのれぇ……」
フォンソー「上には上がいるということだ。自分の無力さがこれで分かっただろう」
ダルディーク「クッ……」
城主「よくやったぞ、フォンソー! 早くとどめを刺せ!! その無礼者の首を跳ねるのだ」
フォンソー「お待ち下さい、城主殿。この者なかなかの素質を持っております。このまま殺してしまうのは実に惜しい……」
ダルディーク「…………」
城主「な、なにを言い出す、フォンソー! そ、そいつは闇の者だぞ!」
フォンソー「分かっております。しかし、この者も悪魔ではないのですから説得すればなんとか」
城主「何をバカな…………」
フォンソー「どうだね? その力を光の為に使ってみる気はないかね?」
ダルディーク「フフ……フフフフ……」
フォンソー「ん?」
ダルディーク「ハハハハハハ! 貴様の有難い演説のおかげで、体力が幾らか回復したよ」
フォンソー「なに?」
ダルディーク「今度、会う時は、貴様が死ぬときだ」
フォンソー「ま、待て!」
城主「逃がすな、フォンソー! 魔法で逃げる気だぞ!」

フフ……確かに私は、まだまだ未熟のようだ。
もっと力を手に入れなければ……強大な力を……

試練に耐えた者のみに闇の強大な力を与える、と言われている試練の塔へと、ダルディークは向かった。
なぜその塔の存在を知っているのか、ダルディークには分からなかったが、そんな事はどうでもいい事だった。
いまダルディークに必要なのは『力』だけだったのだ。