第二章 最後の悪魔

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闇側の指導者であったカーサスは、前大戦に敗れ、今は小さな塔の中に篭っていた。
そのカーサスの塔は、別名『試練の塔』と呼ばれ、試練に耐えた者だけに闇の強大な力を授けると言われていた。
しかし、その試練に耐えた者が出たという噂はまったく無く、カーサス自身にさえ、もうそんな力は無いのでは、とまで言われていた。
人々は、そんなカーサスを、皮肉を込め『最後の悪魔』と呼んだ。
いまダルディークは、その塔を目指す。


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ダルディークが広間に入ると、ローブを着た老人が、ゆっくりと立ち上がった。
カーサス「よく来たな、ダルディークよ。私の名は、カーサス。最後の闇の支配者よ」
ダルディーク「私は力を得る為に来た。得るほどの力が、ここにあるならの話だがな」
カーサス「それは自分の力で試してみるがいい」
ダルディーク「この私を試すと言うわけか」
カーサス「フフフフフ…………いでよ、土竜!」

(土竜と戦闘→敗北)

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ダルディーク「ぐぐぅっ!」
ダルディークの剣が土竜の咽元に突き刺さる瞬間、カーサスから炎の玉が、ダルディークめがけ飛んできた。
それを避けた瞬間、ダルディークの肩に土竜の牙が突き刺さった。
カーサス「ハッハッハッハッ! 口ほどにもない奴め」
ダルディーク「おのれぇ……」
カーサス「その程度の力で、この私から力を授かろうとは、笑止千万!」
ダルディーク「…………」
カーサス「どうした? 恐怖と痛みで声も出ないか?」
ダルディークは感じていた。己の身体から湧き出す強大な、何か得体の知れない力を……。
そして、野望、憎しみ、怒り……さらに己が目指すものが、今はっきりと感じられた。
ダルディーク「フフフフ……フッハッハッハッハッハッ!」
カーサス「狂ったか……」
ダルディーク「礼を言うぞ、カーサス」
カーサス「なに?」
ダルディーク「貴様のおかげで、真の力が覚醒した」
カーサス「なにを寝ぼけた事を……」
ダルディーク「まっていろ。いまこの雑魚をかたずける」

(土竜と戦闘→勝利)

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土竜「ギィェェェェェェェェェ!!」
カーサス「おおっ! 土竜が、いとも簡単に……」
ダルディーク「土竜よ、貴様にも礼を言わねばならぬな。しかし、もう何も聞こえんか」
カーサス「むむぅ!」

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カーサス「凄い、凄いぞ! 私はお前の様な奴を待っていたのだ」
ダルディーク「…………」
カーサス「これで闇が復活する。我々でこの島を治めるのだ」
ダルディーク「我々?」
カーサス「そうだ。私とお前が組めば、光の奴らなど恐るるに足りん」
ダルディーク「恐るるに足りん……か」
カーサス「一時期は光との協調も考えていたが、これで奴らも我らの前に跪くことだろう。さぁ、もっと近くへ寄るがいい。我の力をお前に授けよう」

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カーサス「ぐうぉぉぉ!」
ダルディーク「なるほど、貴様が指導者ならば闇も敗れるわけだ」
カーサス「ダ、ダルディーク……な、何を……する」
ダルディーク「上に立つ者は二人いらん。そして、より優れた者が上に立つ」
カーサス「う、裏切る……のか……グフッ!」
ダルディーク「裏切る? フッ! その言葉は、少しでも協心した者に使う言葉だ。貴様の様な下種と私を、一緒にしてもらいたくはないな」
カーサス「ぐ、ぐうぉぉぉぉ!!」
ダルディーク「死ね」

ダルディークは真の力に目覚めた。 その力は、まさしく闇の力であり、それは光の者、人間に対する殺戮の始まりであった。